SSブログ

第100回夏の甲子園回顧 金足農業と吉田投手 [日記雑感]

第100回夏の甲子園が終わり、大阪桐蔭の2度目の春夏連覇で幕を閉じました。テレビ中継や移動中のラジオ、あるいは熱闘甲子園などで楽しみました。ベスト8以降は、普段は読まない朝日新聞を買ったりで、例年以上に力を入れて注目してました。せっかくなので、何か残しておきたいと思い、いくつか記事をアップしようかと思います。

この大会が始まる前は、ドラフト候補は野手中心で、大阪桐蔭の根尾選手や藤原選手、報徳学園の小園選手などは注目されていたものの、投手は不作の年との前評判でした。朝のニッポン放送、飯田浩司さんのラジオで出演してた、流しのブルペンキャッチャーさんによれば、大会前から金足農業の吉田投手は注目投手として挙げられており、1回戦の鹿児島実業戦から注目してました。

大会が終わり、結果は想像以上で、バッターの手元で伸びがありホップし三振のとれるストレートは、阪神の藤川球児投手を彷彿とさせるもので、マウンドさばきから牽制やフィールディングなど、完成度の高さがプロを含め、関係者からの高い評価が揺るぎないものに至りました。無駄のない投球フォームやバッター相手に応じた判断、ギアチェンジなど、投球のうまさがあったからこそ、準決勝までは疲労を最小限に抑え想像以上のピッチングを続けられたのでしょう。決勝戦こそ打たれましたが、準決勝では、あの日大三校を9回1点に抑えましたし、評価が変わるものではないでしょう。

私は秋田県には全く縁がありませんが、地元秋田県出身のプロ野球選手では、落合博満さんは、大会後に「超一級品」と最大限の賛辞を送ってましたし、山田久志さんも然り。近江高校の選手が甲子園の砂を集めるときにマイクで拾った「あいつはプロ級。半端ない」、決勝戦に対戦した大阪桐蔭の西谷監督も「吉田投手が大会ナンバーワン」などなど。

金足農業の野球は、昭和の野球を思い出させるような、バントを大切にするスタイルで、準々決勝の近江戦の最後、2ランスクイズはテレビで生で見ていました。対戦相手の近江高校は、1回戦で母校の智弁和歌山を破ったチームなので、以降注目して見てましたが、4番の北村選手のバッティングを中心に、2回戦以降の勝ち上がりを見ても強いチームだと感じました。実際、準々決勝も9回の表までは2-1で近江がリードしてて、最後の最後にあのスクイズですから、2人目のランナーもホームベースに走ってきたのを見ても、一瞬、試合が決着したと思えませんでした。

テレビで見ていた試合では、この金足農業対近江戦(3-2)と、タイブレイク延長で逆転サヨナラ満塁ホームランの済美対星稜(13-11)が今大会でも屈指の好ゲームだったのは、間違いないでしょう。

吉田投手の多投問題が議論になってますが、私は選手の立場ではないですし、関係者の気持ちを十分にくみ取れる立場ではないですが、とりあえずは、準決勝と決勝の間にも休養日を設けるべきですね。大会期間がさらに1日延びると、遠征の費用問題などあるのも事実ですが、運営する大人がアスリートファーストを示す善後策が他になかなか浮かびません。今年は雨天順延がなかったですから、なおさら、休養日を1日設けたほうがいい決勝戦になったのではと思います。吉田投手ほどでないにせよ、大阪桐蔭の柿木投手も連投だったわけですし、ドラ1候補のプロの卵2人に連投させるのは、球界にとって損失に思います。

猛暑対策を含めて他に議論に上がる、球数制限やイニング制限、あるいはドーム開催、ナイター開催などは、甲子園という舞台には代わりはないことを前提にすると、選手の気持ちを考えると現実的でないように思われます。

智弁和歌山OBとして個人的には、ほぼ同世代のヒーロー高塚投手の存在が忘れられません。1996年春の甲子園の智弁和歌山は複数投手が事実上おらず、2年生エースの高塚投手が一人でストレートとカーブを武器に連投で決勝まで投げ抜き、決勝戦で打ち込まれて準優勝投手となり(アルプススタンドで応援してました)、その後肩を故障したのです。

高塚投手は高校卒業後、故障を抱えながら、近鉄バファローズに入団し、引退した現在では、ネット情報によれば、淡路島で寿司職人をされているようです。高塚投手以降の智弁和歌山が複数投手を擁するようになったのは、まさにその影響があるとされてます。ですので、エースの多投問題は、その後も済美高校だった安楽投手のケースなど、甲子園では時代を経てはまた出て来るのです。何とかアスリートファーストで解決できないものか、というのは一ファンですが、非常に気にはなっているところです。

決勝戦はテレビ中継では見られませんでしたが、金足農業の2番手投手、6回から交代した打川選手がいいピッチングをしたのは驚きでした(藤原選手から三振を奪ったりしたそうです)。これだけいいピッチングが出来たのだったら、対大阪桐蔭の戦術的には、データ班の分析の裏をかくという意味で、データのない内川選手を先発で、という考えも浮かびそうですが、あくまで結果論の話なので(結果的には、大阪桐蔭が吉田投手のデータ分析が奏功、カットでファールし球数を投げさせ、決定打に結びつけた)、チームの絆や信頼を無視した外野からの考えでもあると思います。むしろ、準決勝の始球式で投げた元PL学園の桑田投手からのアドバイスがよかったのかもしれませんが、決勝戦の途中で吉田投手が「投げられない」と訴える勇気があったことが大事に思えました。

一ファンとして、吉田投手がまずはゆっくり休養し、周囲の身体をケアするスタッフから最大限の支援を得てダメージをしっかりと取り除いてもらうことを祈るしかありません。またプロになって快刀乱麻のピッチングを見せてほしいと期待するばかりです。
nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。