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木村一基新王位誕生 百折不撓 最年長初タイトル獲得 [日記雑感]

最近の将棋界では、藤井聡太七段フィーバーをはじめ、羽生善治先生の永世七冠・国民栄誉賞など様々なニュースで盛り上がってます。私の「観る将」(将棋観戦ファン)は、羽生さんが史上初の七冠達成を達成する平成初期以前、将棋のルールは小学校のときに知ってましたから、中原名人や谷川名人の昭和の頃からになるでしょうか。

NHK将棋の解説では、故米長邦雄永世棋聖が好きな棋士の一人で、学生時代の頃は、昔のJR大阪駅と阪急を結ぶ歩道橋のところには、米長先生の大きな似顔絵のついた懸賞問題の大きな将棋盤が出ていたのも懐かしい思い出です。著書も多数あり「人間における勝負の研究」「人生一手の違い」など文庫化されたものや、最晩年の新書「将棋の天才たち」は、断捨離で多くの本を処分した今でも手元に置いてます。

故米長邦雄永世棋聖は、平成5年に当時49歳で7度目の名人戦挑戦で初の名人位獲得、最年長名人は大きな話題となりました(調べなおすと、米長名人獲得した最終局会場は、尾道のベラビスタ、両親と泊まったことがあるリゾートホテルでした)。さて、話を現在に戻しますと、兄弟子の米長先生と同じ佐瀬名誉九段門下、現在46歳の木村一基九段が王位戦七番勝負を戦い、豊島王位をフルセットの4-3で下し、7度目のタイトル挑戦で初のタイトル獲得されました。

豊島名人・王位は、現在最強棋士の一人。先日の銀河戦決勝では渡辺三冠に勝利し優勝されてます。また、竜王戦挑戦者決定3番勝負では木村九段を2-1で破り竜王戦挑戦を決めております。この暑い夏の季節に、王位戦7番と竜王戦挑決3番をあわせて、フルセットになれば「炎の10番勝負」になるのでは、と注目されてましたが、結果的に、いずれもフルセットになり10番勝負が実現し、46歳の木村九段が29歳の指し盛りの豊島名人を相手に5-5の指し分け、最終的に初のタイトル獲得に結びつきました。

木村九段は、難解な将棋を分かりやすく、軽妙な語り口で解説されることで「解説名人」「将棋の強いおじさん」として、ファンの多い棋士で知られております。私も木村九段解説のニコ生放送などは楽しく拝見してきました。「千駄ヶ谷の受け師」として受けの棋風で知られ、少し前には「受け将棋」のNHK将棋講座の講師をされました。木村九段は、若手棋士が台頭する中、40代後半でいながら、順位戦ではトップ10のA級復帰、竜王戦は1組(挑決進出)というトップ棋士の一人です。

「羽生世代」の少し下になり、タイトル挑戦にこれまで6度登場しながら、羽生先生などに何度も阻まれ、最後の一局で何度も敗れ、あと一歩でタイトル獲得できず、という状況が続いてました。「羽生世代」がタイトルをほぼ独占していた時期が非常に長く、層の厚さの裏返しでもあるのでしょうが、木村九段の無冠は、将棋界の七不思議とも言われていたほど。

王位戦7番勝負は、最初豊島王位の2連勝で、その後木村九段が2勝返しタイに(福岡の大濠公園でも対局がありました、今度「将棋飯」西鉄ホテルのカレー食べてみよう)。最終局は木村九段が後手番で、先手豊島王位の角換わりを受ける展開、専門的なことは分かりませんが、2日目の封じ手から昼食休憩前後までの手で勝負が揺れ動いたようです。木村九段が受けに打った自陣の桂馬が最後に跳躍し攻めに活用され、投了図では飛車の合い駒の受けた形でした。

木村九段の座右の銘(扇子などにも揮毫される)は「百折不撓」(ひゃくせつふとう)、「不撓不屈」とほぼ同じ意味でしょうか、何度負かされても折れることなく、何度も立ち上がり、その結果まさに揮毫通りの悲願の初タイトル獲得になりました。最年長初タイトルという記録付き。将棋ファンにとってうれしいニュースになりました。対局直後のインタビューでは饒舌を抑えた控えめな言葉で「まあ、うれしいです」、受け答えの表情にもらい泣きしそうでした。木村新王位誕生、おめでとうございます!
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