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上岡敏之/ヴッパータール交響楽団@倉敷 [音楽]

今日は待ちに待ったクラシックのコンサート。倉敷に行ってきました。大原美術館はじめ美観地区にもコンサート前に寄りましたが、まずは感動の冷めぬうちにアップします。

2010年10月16日 倉敷市民会館
上岡敏之指揮 ヴッパータール交響楽団

モーツァルト 交響曲第28番
マーラー 交響曲第5番
モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」終楽章(アンコール)

久しぶりの実演。コンサートに頻繁には行けてませんが、「マエストロ・トシユキ」(って書きたくなる)が、いわゆる「手兵(しゅへい)」を率いて、日本の地方都市にまで回って来ていただける貴重なコンサート。力のあるオーケストラが、その実力を存分に見せてもらえました。

2階の右側、C席にもかかわらず、指揮者の様子がよく見渡せるいい席でした。当日券も出てて、席には余裕がありましたが、その分、しっかり聴きたいお客さんが中心だったので、音楽に集中できてよかったです(「フラブラ」なかりせば、なお…とは思いましたが)。

指揮者の上岡さん、狭い指揮台を縦横無尽に使って、身体全体で表現するので、指揮台を見てると、身体で音楽してるな、楽しんでるなというのが伝わってきます。DVDの映像との比較で的を射てないかもしれませんが、全盛期のカルロス・クライバーのような機敏で華のある動きがある一方で、要所ではジャンプまでしてしまう辺りは、バーンスタインの映像を思い出したりもしてしまいました。

とにかく、手兵だけあって、奏者のクセとかもよく見えているんでしょう。左手の動きを見ているだけでも飽きない(2階席だと本当によく見えます)。間髪いれずに方々に指を指してますし、と思えば、手すりに左手を預けて、片足でリズムをとったりします。ここぞ、という最高潮の決め所では、腕を何回もぐるぐる回して、本当に身体全体を使って表現してるなぁ、と感じ入るばかりです。

最初のモーツァルトは、演奏時間も20分ほどで、編成も後のマーラーがステージいっぱいなのと比べると小編成ですから、「名刺代わり」なんでしょうが、終楽章の颯爽とした演奏はすでに巧いな、と思わせられました。

マーラーの実演ははじめてでしたが、最強音と最弱音との強弱差が非常に大きいので、オーディオで聴くと、マーラーのCDを聴きこんでないこともあるんですが、音量調整を間違ってるのかと錯覚します。実演では演奏のパートを目で追えるので、超最弱音にしびれてしまいました。今回のマーラー実演がはじめて、というのは、かえって今後のハードルが一気に上がってしまった感がありますが。オーケストラがよく乱れずに演奏できるなと、さすが「ベルリン・フィルだってうちのオケほど上手くないさ」とまで地元の聴衆に言わしめる(くらしきコンサートのオリジナルプログラム)だけあります。

ちなみに、くらしきコンサートのオリジナルプログラム(全国版と別に売ってた)を買ったんですが、ヴッパータールのティーンズ・ミッションという倉敷の中学生がオーケストラの現地派遣のレポートの読み物が、非常に読みやすく、コンサートの実演を楽しむいい参考になりました。

マーラー5番のフィナーレ、実演だとなおですが、むちゃくちゃ盛り上がりましたね。完璧にノックアウトしました。その後で、アンコールにさらに「ジュピター」交響曲の終楽章をやってしまうんですから、僕も好きな曲なんで、なおのこと感激してしまいました。

世界で活躍する「マエストロ・トシユキ」、すっかりファンになってしまいました。
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コメント 6

のすけの母

名古屋公演とはプログラムが違いますが、どんなプログラムでも〝トシユキ〟色でこなしてしまうんでしょうね。
私も、久しぶりに力強くかつ美しいオケの音色を聴けて、本当に大満足でした。
すっかりファンになってしまい、CDも買ってしまいました。
by のすけの母 (2010-10-17 12:46) 

ヒロノミンV

 昨日は少しの時間でしたが、お話できて良かったです。
 マーラーも大いに期待していましたが、モーツァルトも良かったですね~
カルロス・クライバー!そうですね。僕もそれを思いました。存在感で人を圧倒するというタイプではないかも知れませんが、指揮台でのカリスマ・オーラは、誇張ではなくクライバー級かも。
 上岡さん自身の音楽人生の中でも、今まさに階段を駆け上がっている真っ最中ではなかったかと思います。評価の定まった指揮者・オケのコンビもいいですが、今回の組み合わせはコンサートの醍醐味が詰まっていました。
by ヒロノミンV (2010-10-17 16:33) 

としゆき

>のすけの母さん
名古屋公演の「エロイカ」では、どこでマエストロの右手での「ぐるぐる」が出てたかなどと想像するだけでわくわくしますね。とにかく全力投球の指揮者とオーケストラが一体となった、実演ならではの時間を十二分に楽しめました。上岡さんは帝国ホテルでの勤務の経験もあるキャリアで、ステージでのサービス精神は、この辺りからも来てるんでしょうかね。
by としゆき (2010-10-17 22:03) 

としゆき

>ヒロノミンVさん
また機会があれば、お会いしましょう(今度は飲みににいきませんか?)。
さておき、評価が定まった指揮者・オケのコンビではないですから、日本での評価はある意味、実演がすべてということもあるかもしれませんが、全力投球での演奏に聴き入ってしまいましたね。「音楽の友」のベスト・コンサートでも上位ランクインが期待できるのではないでしょうか?
by としゆき (2010-10-17 22:06) 

mikotochi58

はじめまして。ヒロノミンV 様のブロクからたどり着きました。上岡さんのコンサート、私も2階の右側の前法の方のC席で聴いていました。おそらく、かなり近いところで聴いていたみたいですね。上岡さんのエネルギッシュな指揮と、渋いオケで、いい演奏会でした。いろいろと聴き応えと見応えのあるコンサートでしたね。楽屋入り口の方に車を停めていたのですが、6時ごろに、オケのメンバーらしき人が私服でうろうろされてました。観光してたんでしょうね。また、いろいろとご教示ください。
by mikotochi58 (2010-10-18 22:01) 

としゆき

>mikotochi58さん
はじめまして。いやぁ、びっくりしました。ニアミスしてたんですね。ヒロノミンVさんとの開演前の雑談、聞こえてた距離だったかも…。
やっぱり、オケのメンバーは観光されてたんでしょうね。
私も大原美術館の本館前で、鯉のえさやりに集まった鯉などを写真に収めて美観地区を楽しんでる、オケのメンバーと思われる方を見かけましたから。倉敷にいい思いをもって、ドイツに帰ってもらえれば、うれしいですね。
by としゆき (2010-10-18 22:23) 

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