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A級順位戦最終局 将棋界の一番長い日 三浦九段対久保九段 271手の大熱戦 [日記雑感]

金曜から土曜の深夜、ニコ生放送のA級順位戦最終局「将棋界の一番長い日」を見てました。

「名人戦第0局」と銘打った、A級トップ棋士10人による、今年は静岡での一斉対局です。

名人戦への挑戦者は、ラス前の第8局時点で羽生三冠(7勝1敗)に決まってましたが、B級1組への降級争いに注目が集まってました。例えば、同じ4勝5敗で成績が並んだ場合、順位の「頭ハネ」によって下位の順位が降級してしまうという厳しいシステムなんですね。

A級からの降級は2名。うち、すでに谷川九段の降級は決まっており、残り1名の降級枠を巡り、熾烈な争いが繰り広げられました。最終局がはじまる前の時点で、降級争いに関わってたのが、郷田九段(3勝5敗)、屋敷九段(3勝5敗)、三浦九段(3勝5敗)、久保九段(4勝4敗)の4名。久保九段は、これまで指し分けてますが、この4名の中では、順位が最下位。最終局で三浦九段に敗れ、郷田九段、屋敷九段がともに勝った場合には、4人が4勝5敗で並び、「頭ハネ」されてしまいます。

視聴者目線での降級争いは、早くに決着してしまいます。横歩取りの早い進行となった、行方八段対屋敷九段が、行方八段の勝ちで決着。これで、屋敷九段の降級が決まってしまいました。屋敷九段は、次の週末から開幕する第3回電王戦の大将戦という大きな戦いも控えてます。調子を取り戻して、いい将棋を見せてほしいですね。行方八段は、来季A級2位。1位の羽生三冠が図抜けてますが、初のA級で2位はすごいですね。

その後、羽生三冠対郷田九段は、羽生三冠の勝ち。羽生さんは、順位戦、それも最終局の勝率が異常に高く、この3年では27局中2局しか負けてない(25勝2敗!)、どれだけ強いのでしょうか?郷田九段は、タイトル戦の挑戦者決定戦まで進出し、あと一歩で挑戦者を逃す展開が続いてますが、この記事時点でNHK杯で決勝進出を決めてます。

谷川九段対深浦九段は、谷川九段の勝ち。端攻めの応酬でと金ができたのが中盤で有利な展開となり、最終盤で7三玉で「光速の逃げ」が決め手となったようです。降級とはなりましたが、谷川会長はA級最終局で有終の美を飾りました。

渡辺二冠対佐藤九段は、佐藤九段の勝ち。棋風が対照的な2人の対局、昨年の王将戦と同カードでした。挑戦者決定・降級争い的には「消化試合」ですが、来季の順位に絡む以上、本当の意味の消化試合は順位戦にはありません。素人目には、最後の渡辺二冠の王手ラッシュは、結構迫力がありましたが、佐藤九段が落ち着いて対応されて勝ちを決めました。渡辺二冠は、棋王戦・王将戦ともに防衛まであと1勝に迫っており、大事な対局も近くに控えてます。

今回の「将棋界の一番長い日」、例年よりも1時間早い午前9時開始ということで、ここまでの4つのカードの終局は金曜日中に決着がつきました。日をまたぐ「午前様」にはなりませんでした。ところが、「将棋界の一番長い日」の名にふさわしい、大熱戦が残ったのです。三浦九段対久保九段。両対局者は、いずれも降級争いに絡んでますが、屋敷九段が敗れて降級争いが決まったことは対局中は知りません。A級残留をかけた必死の戦い、日をまたいだ夜戦が繰り広げられました。

久保九段は振り飛車党で、軽快な駒さばきで「捌きのアーティスト」の格好いい異名をもつのですが、その一方で、少し劣勢な局面でも必死で粘って、勝ちをあきらめないことでも知られます。この日の局面も、先手の三浦九段が優勢な状況から、後手の久保九段が巻き返し、粘る展開が続きます。「捌き」ではなく、「粘りのアーティスト」です。

曜日をまたいだ土曜午前0時過ぎからは、お互い1分将棋。この1分将棋の応酬が約2時間も続いたのですね。対局者もさることながら、秒読みの記録係、あるいは解説者も大変です。ニコ生で振り飛車党の「ゴキゲン」近藤さんの解説が、とても面白かったです。終局はちょうど午前2時。通常は100手前後で終局がつく中、271手の大熱戦でした。

一斉生中継、いいものを見せてもらいました。この日の晩はほとんど寝れずに、翌朝を迎えました。

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